七草には、正月の7日に摘みとって七草粥に入れる若菜の「春の七草」
芹(せり)、
薺(なずな)、
御形(ごぎょう)、
繁縷(はこべ)、
仏座(ほとけのざ)、
菘(すずな)、
蘿蔔(すずしろ)
と秋の野に咲く草花の「秋の七草」
萩、
薄(すすき)、
葛(くず)、
女郎花(おみなえし)、
藤(ふじ)
袴(ばかま)、
桔梗(ききょう)
のほかに、七つの種類(転じて「七色」、「いろいろ」)の意味があります。
仏典に、「譬えば一人にして七子有り是の七子の中に一子病に遇えり、父母の心
平等ならざるには非ず、然れども病子に於ては心則ち偏に重きが如し」(涅槃経)
と、病を患った子への深い親の思いを示す一節があります。わたしたち子どもの
中にも大病を患った者がいて、親たちは、戦中・戦後の食糧難の時代、その者に
特に大きな愛情を注ぎながら、七人の子どもを育てあげました。
弊社は、貧しいが心やさしい、まさに庶民の代表ともいうべき父母に育てられた
七人の子どもとその友人たちが発起人となって、2012年に設立されました。
その父と母が亡くなったときに子どもたちで出版した記念文集が、
『直さんの想い出』(2000年)および
『万歳!われらの友枝さん』(2007年)であり、
その時の出版社名は、「ななガキ」(腹を空かした七人の子ども)としました。
この度、正式な出版社の設立に当たり、その時の思いを弊社の原点とするため、
「ガキ」を「草」に改め、「七草書房」としました。